"究極の"ヒト抗体産生マウス作製に成功(宇野・冨塚グループ論文掲載、プレスリリース)
私達が開発し研究に用いている”究極の”完全ヒト抗体産生マウスに関する論文が、Nature communications誌に掲載され、本学からもプレスリリース(下記リンク)がありました。
https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/newstopics/2022/0412_5032.html
完全ヒト抗体産生マウスの作製に成功 -- ヒト抗体の多様性を再現・抗体医薬品創出へ期待
ポイント
東京薬科大学生命科学部 教授 冨塚一磨(生物工学研究室)、鳥取大学医学部生命科学科/染色体工学研究センター 香月 康宏准教授らのグループが、独自の染色体工学技術を用いて、新たなヒト抗体産生マウスの作製に成功しました。20年以上前に冨塚一磨教授らが世界で初めて開発した第一世代の染色体導入ヒト抗体産生マウスは、ヒト抗体遺伝子を含むヒト染色体の安定性が完全ではなく、さらなる高性能化が必要でした。今回作製されたマウスでつくられるヒト抗体は、ヒトに類似した多様性を持ち、またこのマウスを抗原で免疫すると、高い効率で抗原特異的ヒトモノクローナル抗体が取得できることが示されました。本ヒト抗体産生マウスは安全性の高いヒト抗体医薬品の創出に役立つことが期待されます。
本研究成果は、2022年4月5日(日本時間)に「Nature communications」のオンライン版で公開されました。
雑誌名: Nature communications
論文名: Efficient human-like antibody repertoire and hybridoma production
in trans-chromosomic mice carrying megabase-sized human immunoglobulin
loci”
(メガベースサイズのヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するトランスクロモソミックマウスにおける、効率的なヒト様抗体レパトアおよびハイブリドーマ産生)
著者: Hiroyuki Satofuka, Satoshi Abe, Takashi Moriwaki, Akane Okada, Kanako
Kazuki, Hiroshi Tanaka, Kyotaro Yamazaki, Genki Hichiwa, Kayoko Morimoto,
Haruka Takayama, Yuji Nakayama, Shinya Hatano, Yutaro Yada, Yasufumi Murakami,
Yoshihiro Baba, Mitsuo Oshimura, Kazuma Tomizuka, and Yasuhiro Kazuki
Doi:10.1038/s41467-022-29421-2