本研究室のテーマ
— 生体分子のかたちを通して生命活動の根源に迫る —
正常な生命活動を営むためには、体を構成する多くの分子が協調的に働いて互いの情報をやりとりする必要があります。この情報のやりとりがうまくいかなくなった状態が「病気」ですが、たいていの病気にはその原因となる生体分子があり、この標的に特異的に作用して働きをブロックするのが「薬」です。通常これらの分子同士の認識や情報のやりとりは、3次元的なかたち(立体構造)を通して行われます。私たちは、タンパク質固有の情報がどのような仕組みで分子の具体的な形に反映されるか明らかにすることをメインテーマとして研究を進めています。特に病気や重要な生命活動に関わる分子を研究対象として、論理的創薬とその基盤技術の開発を目指しています。
分子標的薬ゲフィチニブは、EGF受容体のキナーゼドメインに結合してリン酸化を抑制する(タンパク質分子の大きさに注目) | HIVプロテアーゼの阻害剤インジナビルは、 エイズの治療薬として用いられている |
アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイド線維は、 βシートに富む分子が重合した構造をしている |
細菌の細胞壁成分を分解するリゾチームは、 抗炎症薬に含まれている |