生命物理科学研究室 : 学部4年
岩﨑 萌 (神奈川県立多摩高等学校出身)

 [東薬生命を選んだ理由]
 私は幼い頃から体を動かすことが好きで、小・中学生は新体操、高校生では陸上部に所属していました。陸上部では高校駅伝を目標とし、長距離種目に取り組んでいました。スポーツをしていると外傷や疲労からくる体の痛みを感じることが多く、痛み止めを服用する機会が頻繁にあったことが、私が薬に興味を持つきっかけでした。医学の進歩によって平均寿命は年々延びつつありますが、私はスポーツを通して、生きているだけでなく、「健康な体を維持すること」に関心を持つようになりました。生命科学とは分子生物学を中心とする生命探求の学問となっていますが、その領域は学校によって農学・工学・理学・医学・薬学と幅の広いものです。薬学を中心とした生命科学を学びたいという想いから、東京薬科大学の生命科学部への進学を決めました。

[大学生活]
 大学の授業は、1年次は数学・物理・有機化学・無機化学・生物などの基礎知識を学び、学年が上がるにつれて専門性が増していきます。3年次の感染医科学の授業では、身近な感染症の話が多く、インフルエンザが何故毎年流行してしまうのか、それに対するワクチンの作り方や、多くの抗生物質に対して耐性を獲得した多剤耐性菌の問題点などを学びました。また、1年次の後期から生命科学実習が始まり、最初に行なった GFPの実験は今でも印象に残っています。懸濁や遠心操作、マイクロピペットを用いて上清のみを取るなど初めてのことばかりでしたが、紫外線を当てた際にタンパク質が蛍光を発したときはとても驚きました。

[研究室]
 実習や授業を通して、変化が目に見えるのはおもしろいことだと感じるようになりました。タンパク質の構造や分子の動きなど、実際には目に見えないものを、コンピュータを用いて目に見える形にして研究することに興味を持ち、4年次の研究室配属では生命物理科学研究室を志望しました。研究室配属後は、C言語を初歩から学び、プログラミングのおもしろさを実感しました。現在は、分子動力学法の仕組みについて学習し、先生方や先輩方のご指導のもと、タンパク質のシミュレーションを行っています。

[今後]
 学部卒業後は医療機器メーカーで働くことになっています。今まで学んだことを生かし、人が健康に生きることのサポートをしていきたいと考えています。今後も新しい知識を得ることの楽しさを忘れず、卒業研究とその後の日々の勉学に励んでいきたいと思っています。

(全1008文字)

生命物理科学研究室 : 修士1年
井上 晴海 (東京都立東大和南高等学校出身)

 私は、高校生の頃に将来は創薬に携わる仕事がしたいと考えていました。なぜなら、幼少の頃ぜんそくで色々な薬を服用していたことがあり、薬に関して興味を持っていたからです。また、小学生の頃からパソコンでゲームやインターネットを使っていたので、IT関係の仕事がしたいとも考えていました。大学を決める際、創薬とITのどちらを勉強するか考えた結果、当時強く興味を持っていた創薬に関わる勉強をしようと思い、東京薬科大学の生命科学部に進学することを決めました。
 大学の授業は、物理・化学・生物やドイツ語・哲学などと幅広い分野の授業があり、興味・関心の幅が広がりました。その中には情報科学の授業もあり、そこでプログラムを初めて作りました。プログラムは自分が書いた通りに動き、トライアンドエラーで完成させるのが楽しく、コンピュータに対してより興味を持ちました。そのため、研究室はコンピュータシミュレーションを行う生命物理科学研究室に所属しようと決めました。
 4年生の頃は、コンピュータシミュレーションの基礎を学び、C言語を使ってゲルのシミュレーションプログラムを作成しました。また、4年の春に基本情報技術者試験を受け、合格しました。
 修士1年の現在は、卒業研究の続きを行うと同時に、弾性体の基礎を学んでいます。また、大学院の授業への出席と、大学の情報科学の授業でTA(ティーチングアシスタント)としての活動をしています。将来は研究室で学んだプログラミング技術などを用いてシステムエンジニアとして社会に貢献していきたいと思っています。

(全646文字)

生命物理科学研究室 : 修士1年
竹内 裕紀 (神奈川県立多摩高等学校出身)

 高校生の頃の得意科目は政治経済と数学、苦手科目が英語と物理でした。同級生からは「文理系」と言われるほどの中途半端な状態で、文系と理系どちらに進むのか悩みましたが、理系分野に嫌いな科目が無かったこともあり、理系に進むことを決めました。志望大学を探す中で目に留まったのが東京薬科大学の生命科学部でした。大学に入ってから生物・化学・物理を高校の時よりも幅広く、更に深く学んだ上で専攻する分野を決めることができるということに魅力を感じ、受験を決めました。
 大学での授業の中で最も興味を惹かれたのは実習の授業でした。この実習では合成実験やウェスタンブロットなど各研究室で行われるような実験を自身の手で経験することができるため、とても有意義でした。また、囲碁将棋部での囲碁の指導やオープンキャンパスの学生スタッフとして受験生の学内紹介を行うなど授業外の活動においても積極的に取り組みました。
 4年生の卒論研究では生物活性が期待される天然物の合成研究を行い、そこでは多くの実験を経験させていただきました。また、先生方及び先輩方には多くのことを教えていただき、とても貴重な経験になりました。
 2016年春に人工知能が囲碁のトッププロを破るといったニュースを知ったことで、コンピューターに興味を持ちました。その影響もあり、現在の修士課程ではコンピューターを用いた研究を行う生命物理科学研究室に場所を移し、「筋疾患関連タンパク質のシミュレーション研究」を行なっています。研究室では研究だけではなく授業の補助を行うTA(Teaching Assistant)もしており、1年生からくる質問に対して分かりやすく教えることの大変さを感じています。
 どんなことでも時には壁にぶつかることがあるとは思いますが、挫けることなく粘り強く問題に取り組んでいきたいと思います。

(全765文字)

生命物理科学研究室 : 修士2年
多ヶ谷 翔吾 (私立八王子高等学校出身)

 私は小学生の時、宇宙が好きで、宇宙少年団という団体でJAXA(宇宙航空研究開発機構)への見学やロボットチームでの活動などを通して宇宙やロボットに関して学ぶ機会がありました。中学時代は水泳部に所属し、練習に精一杯取り組んでいました。その甲斐あってか関東大会の予選会まで進むことができました。当時の厳しい練習で培った精神は今に至るまで様々なところで為になっています。その後の高校受験や大学受験の際に、自分は数学と理科が好きで、論理的に考えることが向いていると思い、理系に進みました。そして、東京薬科大学は化学・生物などを幅広く学べるだけでなく、医療に関する知識も得ることができると感じたので、進学を決意しました。
 本学入学後は理系の様々な分野を学びました。しかし、私は1年時の学生実習に行った解剖で、血を見るのが苦手という困難に直面しました。大学3年生までに、情報科学Ⅱとバイオ情報科学という科目で、プログラミングに出会いました。これら2つの科目で、自分で考えたプログラムがちゃんと動き、欲しい結果が出る楽しさに興味を持ちました。大学3年時の研究室選びの時期に出会ったのが、現在所属する生命物理科学研究室でした。本研究室では、実験ではなく、コンピュータを用いたシミュレーションが行われています。これなら、学部時代に学んだ知識も活かすことができ、プログラミングもできると思いました。さらに、コンピュータを積極的に使うことは、今後の就職活動や社会に出た後にも、役に立つと思いました。
 現在修士2年の私は、「分子動力学法によるゲルにおける力学特性の研究」といテーマでシミュレーション研究を行っています。シミュレーションのプログラムは、C言語を用いて全て自分で作成しています。これまでモデル作成やシミュレーションのプログラム作成をしてきました。最初はなかなか自分の想定したような結果にならず苦労する場面ばかりでしたが、今では始めた当時ほどはよりも苦労せず、自分の想定したプログラムを作成できるようになりました。就職活動では希望の大手IT企業への内々定を頂くことができました。
 IT企業を選んだ理由としては、ITが自分の身近な様々な部分で使われていて、今後さらに社会のあらゆる面で使われるものであると感じたからです。もちろん生命科学においても、ITは実験機器や解析ソフトなどに使われています。また、大学・大学院・研究を通して得られた論理的思考力やコンピュータに関する基礎知識などを生かすことができます。今後は、卒業まで自身の研究により一層励みたいと思います。

(全1069文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
信岡 慶一 (横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校出身)

 私は中学生の頃から数学や理科が得意でしたので、高校に進学を考える時も理科や数学を多く勉強できるところに行きたいと思っていました。高校は理数科の高校に進学し、理科や数学漬けの日々を過ごしていました。部活は数学・物理部に所属していて、数学オリンピックの予選や物理チャレンジの予選に向けての勉強や実験をしました。もちろん、国語や英語、社会といった科目も勉強しました。この頃に、山中伸弥先生がiPS細胞でノーベル賞を受賞されて、このニュースがきっかけで医学に興味を持つようになりました。
 医学に興味はあったものの、医学の研究に進むには医学部に行ったほうがいいのか悩みました。医学部に進むには、かなり勉強をしなければならなく、その上、医学部に進学した後は、6年間医師になるための教育課程を経なければなりません。私は、基礎医学に興味を持っていたので、基礎医学を学べる大学に進学したいと考えていました。東京薬科大学は、講義だけではなく実習も医療系のことも行うので、基礎医学を学びたい自分に合うと思い、進学しました。
 本学入学後は、生命科学に関する様々な基礎科目を学びました。また、医科学に関する科目も学びました。その中でも私が特に興味を持った授業は、創薬概論と生命医科学特講です。創薬概論では、医薬品が市場に出るまでのプロセスや、医薬品の探索研究から薬のもととなるリード化合物の合成に到るまでの流れについてを学びました。今の創薬は、試験管レベルで実験を行うin vitroだけではなく、コンピューターシミュレーションによって、化合物の動態を分析し、候補を絞るin silicoと呼ばれることも行われていることを知りました。生命医科学特講では、本学の先生だけでなく、東京医科大学の先生がいらして、様々な疾患、例えばミトコンドリア疾患や、筋疾患、がんなどの病気についての内容や、最新の基礎・臨床研究についてもお話がありました。こういった授業を受けて、私はコンピュータを使った病気の研究に興味を持つようになり、生命物理科学研究室での卒業研究を希望しました。
 現在、私は動脈硬化に関連しているタンパク質についての研究を行なっております。研究には、シミュレーションソフトを使って行うのですが、今はまだチュートリアルの段階で、先輩方や先生方から指導を受けて少しずつ進めています。
 私は、学部卒業後は本学大学院に進学します。進学後は引き続き、生命物理科学研究室において今の研究を行い、動脈硬化に関しての知識、シミュレーションの手技をより多く身につけ、医学・生命科学の発展に貢献していけるようになりたいと思っております。

(全1091文字)

生命物理科学研究室 : 修士2年
小澤 尚史 (桐光学園高等学校出身)

 私自身、大学入学以前は文系科目が得意な所謂『文系っ子』でした。現代文に古文漢文、英語、更には世界史が好きな生っ粋の文系っ子であり、数学を始めとする理系科目に対しては苦手意識が非常に強く、忌避し続けていました。しかし大学受験を意識し始め、進学する大学、延いてはその先の将来に目を向けた際に、漠然とではありましたが、敬愛する父と同じような道を辿りたいと考えるようになりました。父が製薬会社に勤めていることから、そのためには理系の大学、更には生物系の大学に進学することが得策であると考えました。それを機に生物系のあらゆる大学について調べ始めました。時を同じくして3歳上の姉が東京薬科大学生命科学部に通っており、その姉から日々大学での様子を聞かされていました。そうする中で理系科目を満遍なく学べること、研究設備が整っていること、また、生命科学そのものの将来性についても知ることができ、受験することを決めました。
 それから良きご縁があり、本学に入学することができましたが、入学に際し、それまで理系科目から逃げていた分、大変な苦労を強いられることになるであろうと覚悟をしていました。しかし、入学後ほどなくしてそれが取り越し苦労であったとわかりました。そう考えた主な理由として、様々な分野の教授陣による講義がどれも大変興味深いということが挙げられます。また、講義で教わった内容を実習という形で直接見て触れることにより、知的好奇心が更に掻き立てられます。この繰り返しを経ることで、研究室配属までの間に、自分が興味を持てる分野を十分に把握することができます。個人的には遺伝子工学の講義での、ナノマシンのお話が興味深く感じました。タンパク質相互作用を人工的に作り出すことができれば、タンパク質を用いたナノマシンの作成が可能なのではないかという、大変心弾むお話でした。『生命科学部』という響きから、どうしても生物系分野一辺倒な印象を抱いてしまいがちですが、実はそうではなく、間口の広い学部であると思います。生物をはじめ化学、物理などを幅広く、基礎から専門的な部分まで学ぶことができるので、自分の情熱を向けられる分野が自ずと見えてきます。
 大学ではギターアンサンブル部に所属していました。学生の間でも決して知名度が高いとは言えない団体ですが、創部50年という歴史のある部活動です。ギターを用いて合奏をすることが主な活動なのですが、各年の定期演奏会でただひとつ、独奏の枠があります。私は日々練習に練習を重ね、その枠を任されるに至りました。これは栄誉ある役目であり、プレッシャーこそ感じましたが、本番で完奏した際の喜びはひとしおでした。そこで出会った後輩の1人とは今でも大変親しくしており、ギターに関してはもちろんのこと、勉強、研究、更には恋の悩みまで、なんでも気兼ねなく話すことのできる大切な存在となっています。
 4年生の時は極限環境生物学研究室で『高度好熱菌Thermus thermophilusのtwitching運動に影響を与える要因』というテーマで研究をしていました。Thermus thermophilusという、至適生育温度70〜75℃の真正細菌は、自身の持つ線毛を用いてTwitchingと呼ばれる運動をすると考えられているのですが、このTwitching能がどのような条件(生育温度、栄養の有無など)で上昇または低下するのか、ということを調べていました。4年の6月という比較的早い時期に学会で発表する機会を頂き、同じ領域の様々な研究者の方々と意見交換ができたことは大変貴重な経験であったと思います。
 修士からは生命物理科学研究室に研究の場を移し、『粗視化モデルを用いた線維タンパク質の分子動力学シミュレーション』というテーマで研究をしています。本研究は、人工のタンパク質線維を作成することによって新たな機能を持った線維を生み出そうという戦略の一貫として、極限環境生物学研究室と共同で行っているのですが、将来的にナノテクノロジーの分野に多大な影響を与えうると考えられており、非常に夢があると感じています。修士1年の3月に学会に参加させていただき、自身が行なっている研究の面白みを再認識し、また、自身の理解が及んでいない部分に気づく良い契機となりました。先生方や先輩方にご指導を賜りながら日々充実した研究室生活を送っています。  修了後は医療機器メーカーで働くことになっています。就職活動をしていく中で、自分に合った仕事、自分が本当にやりたい仕事とはどういったものなのかを考えました。その末に、日々の業務内容及びそれによりあげられる成果が日々のやりがいに直結しそうであると感じたことから、医療機器メーカーを強く志望するようになりました。手術に立会うこともある仕事ですので、大学及び大学院計6年の中で学んだ知識や培った経験も活かしつつ、一生懸命に日々を過ごしたいと考えています。

(全2031文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
野本 実咲 (埼玉県立大宮光陵高等学校出身)

 私が高校生の頃、山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞し、世間は再生医療への切り札として期待を向けていました。私自身も、高校の授業の中で遺伝子組み替えなどのバイオテクノロジー、拒絶反応や免疫抑制を応用した医療技術に興味を持ち、より詳しく学びたいと思うようになりました。本学の幅広く生物学を学ぶことのできる環境に惹かれ、生命科学部分子生命科学科に入学を決めました。
 生命科学部分子生命科学科の魅力は、自分自身の興味関心に基づいて分子科学領域だけでなく、応用生命科学領域、医科学領域の科目も自由に選択できる点であると思います。環境工学や免疫学などの講義を受講できたことで、私自身の興味や関心の幅を広げることができたと感じています。また、大学1年次から行われる生命科学実習も生命科学部の魅力の1つであると思います。自ら実験を行うことで理解を深めることができました。また、基本的に実習はグループで行われるため、状況に応じて柔軟に行動できる力を培うことができました。状況を見極めることで、いま何が必要なのかを考え、情報を整理するという問題解決のプロセスは、実験を行う上でも重要なことであると学びました。
 本学には多くの部活やサークルがあります。私自身、勉強の傍ゲノムサイエンス研究部に所属していました。ゲノムサイエンス研究部は定期的にDNAに関する実験を行います。実験テーマや実験期間などを自分達で考え準備することで講義や生命科学実習とは違った視点で学ぶことができました。部活動のように様々な価値観をもつ仲間が集まる環境は多くの経験を得ることのできる貴重な機会であると思います。
 私は現在、生命物理科学研究室に所属し、電極とタンパク質についての研究を行っています。講義や実習を通じてタンパク質の構造変化やコンピューターを用いて分子や原子の動きの再現することに興味を持ちました。実際にコンピューターシミュレーションを用いたり、英字論文を読んだりと慣れないことばかりで上手くいかない時もありますが、先輩方や先生のご指導のもと充実した毎日を過ごしています。未熟者ですが、日々成長を目指して努力していきたいと思います。
 第一志望のCRO企業から内定を頂き、卒業後はCRAとして新薬開発の治験に携わります。自ら進んで学ぶ勉学への姿勢は必ず生かすことができると考えています。より一層行動に責任を持ち、CRAとして人々の健康に貢献すべく邁進していきたいと思います。

(全1018文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
藤井 翔平 (私立聖徳学園高等学校出身)

 私は高校では卓球部に所属しており、部長として部を引っ張ってきました。私以外は皆初心者だったため、練習メニューを考えるなど仲間と協力して取り組むことの大切さを学びました。引退後、祖母のがん治療で苦しむ姿を見てきたため医療に関われる知識を学びたいと考え、幅広い分野からアプローチを行っている生命科学部を選択し、その中でも最も歴史のある東京薬科大学を受験しました。
 3年間の実習の中で、タンパク質の立体構造をコンピュータ上で観察を行った実習が印象に残っています。父がIT系という影響もあり、私もパソコンに興味があったため、普段目にすることの出来ないものがコンピュータ上で観察できるということに面白みを感じました。この経験を経て、コンピュータでの研究が行える生命物理科学研究室を選択しました。配属後は、ゲル・人工軟骨・コンタクトレンズなどのソフトマターのシミュレーションを行っています。
 学部卒業後は、システムエンジニアとして内定を頂いており、医療分野のITに携わっていきたいと考えています。

(全440文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
岡嶋 大樹 (私立関東学院高等学校出身)

 私は幼少の頃、病弱で入退院を繰り返しており、手術をすることもありました。医療の力によって、現在では元気に過ごすことができています。私は、この時の経験から、生命に関することに興味を持ち、中高と勉強を重ねていきました。志望校を選ぶ中で、私が入学する年から、東京薬科大学の生命科学部に、ヒトの生命に特化し、医科学について深く学べる生命医科学科ができる事を知りました。生命に関わることを基礎から応用まで幅広く学べ、更に、医科学に重きをおいて学習できることに魅力を感じ、ご縁をいただき入学しました。大学に入ってからは、毎日が充実した日々を送っております。  学業面では、実習を通して、生命について幅広く学ぶことができました。特に3年次の生命医科学特講や生命医科学実習での東京医科大学に訪問しての解剖実習は興味深い内容でした。生命医科学特講では、東京医科大学や本学で最先端の研究をされている先生のお話を伺うことできます。講義では触れられないような最新で専門的な内容を学ぶことができ、勉強へのモチベーションの向上に繋がりました。さらに、解剖実習では、教科書の図や言葉だけでは理解し得ない、繊細なヒトの身体について詳しく知ることができました。学業以外では、ハルモニア管弦楽団に所属し、ファゴットを演奏しています。年2回の本番や、東薬祭、地域交流の一環としてのアンサンブルコンサートを通して、学部や学年を超えた繋がりの中、協力し一つのものを創りあげる喜びを感じました。
 私は、今まで学んできたことから、分子レベルでの現象を細かく見ることに興味を持ちました。その中でも、コンピューターを用いて分子レベルでのタンパク質の挙動を見ることをしたいと思い、生命物理科学研究室を選びました。研究室では、現在、東京医科大学との共同研究で、筋ジストロフィーのような筋疾患の関連タンパク質をコンピューターシミュレーションにかけて卒論に向けて頑張っております。
 私は、現在、独立行政法人国立病院機構の事務職として内定を頂いており、生涯通して医療に携わっていきたいと思っております。

(全867文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
渡部 真央 (都立昭和高等学校出身)

 私は高校ではバスケットボール部に所属し、多くの仲間とともに毎日の練習に取り組んでいました。練習前後には自主練習を重ね、引退まで続けることができました。この時の活動を通して、継続する忍耐力を身につけました。部活動を引退すると興味は生物に移りました。特に関心を持ったのは人体についてであったため、生命科学部の医科学科を探していました。その後、夏期講習で通った予備校の先生の勧めにより、東京薬科大学を受験しました。
 入学後は科学について基礎から学ぶことができました。こうした基礎知識は専門的な講義を理解する助けになりました。私は酵素学や分子細胞生物学の授業を通して、タンパク質の活性に重要である立体構造に興味を持ちました。タンパク質は複数のアミノ酸が繋がり、複雑に折りたたまれることで形成されています。この複雑な構造により様々な作用を持つことができます。多様なタンパク質の立体構造に興味を持ち、直接観察したいと思うようになりました。
 また生命科学部の多くの実習を通して、マイクロピペットや光学顕微鏡などの実験機器の取り扱いを学ぶことができます。実際に取り組んで自分の得意、不得意を知ることができるため、3年次の研究室配属の際の参考になりました。
 3年次までは病理や薬理を意識した選択科目を多く受講しましたが、その中でも私が惹かれたのは「バイオ情報科学」という科目でした。情報の観点から生物を見るのは新鮮で、講義で扱われたプログラミングには自ら取り組むようになりました。バイオ情報科学を受講したことで、情報科学と生物の関連を強く意識することになり、4年次の研究室配属では生命物理科学研究室を志望しました。
 配属後はコンピューターを用いて研究しています。私は金属に結合するタンパク質についてのシミュレーションを行っています。糖尿病検査に利用するバイオセンサーなどへの応用が期待されています。私が所属している医科学科では疾患について詳しく学ぶため、糖尿病への関心も強く意識していました。他の学生とは違った、シミュレーションという分野で研究できることはとても刺激になります。また試験管の中では観察できない分子の動きを見ることができるため非常に興味深いテーマです。
 学部卒業後は修士課程で引き続き研究をする予定です。これからも多くの知識を吸収して、修士論文に向けて研究を進めていきたいと思っています。

(全987文字)

生命物理科学研究室 : 修士2年
和出 沙弥香 (私立浦和ルーテル学院高等学校出身)

 高校生の頃、私は部活でビックバンドジャズをやっており、フルートを吹いていました。また、ポスターを描いて賞を頂いたこともあり、芸術に携わることが好きでした。ニュースで話題となったiPS細胞が開発されたのは、ちょうどこの頃だったと思います。これがきっかけで私は生物や医療に興味を持ち、夏休みに開催される本大学の研究実習に参加しました。一つのことに集中して取り組む研究は、フルートの練習や絵を描くことに共通していると感じました。こうした経験を得て、私は本大学への受験を決心しました。
 本大学に入ってからは授業を通して多くの知識を得る事ができました。中でも私が最も興味を惹かれたのは情報科学Ⅱの授業で行ったプログラミングでした。小さい頃から家族の影響でパソコンに触れる機会が多かったため、元からパソコンに興味がありました。自身が設計し書いた通りに動くプログラムを作る内に、ものづくりの楽しさを感じました。この様な経緯を経て3年生になり、興味のあったプログラムを扱う現在の研究室に特演生として通う事を決めました。特演では英語の文献解釈及びプログラムの基礎を学ぶ事に励みました。それにより生命物理への興味とプログラムについてもっと学びたいという思いが一層強まり、本研究室への配属を希望致しました。
 現在私はコンピューターを用いて、生体医療への応用が期待されるTetra-PEGゲルのシミュレーション研究を行っております。シミュレーションで用いるプログラムは全て自作で、C言語とC++を用いて作成しています。これまでに得られた研究結果は、国内のいくつかの学会で発表を行い、多くの専門家の方々と意見を交わすことができました。自身の研究についてわかりやすく説明することには苦労しましたが、発表を通してプレゼン力と自信が高まったと感じております。研究で得られた論理的に考える力とITに関する基礎的な知識を活かして、基本情報技術者の資格を取得することができました。
 就職活動ではこれまでに得られた知識と経験を活かし、第一志望であるIT企業への内々定を頂くことができました。今後は自身の研究により一層力を入れて取り組みたいと思います。

(全902文字)

生命物理科学研究室 : 修士2年
小澤 愛 (十文字学園高等学校出身)

 私は小学生の頃から薬草に興味があり、本や図鑑を買って読んでいました。それをきっかけに薬や病気について深く学びたいと思い、本学へ進学することを決意しました。
 本学では理系科目の基礎的な内容から、薬理、疾患などの専門的な分野まで幅広く学ぶことができます。さらに、130年を超える歴史があると同時に、生命科学部は日本で最も歴史があるため、学業や研究に取り組むための設備や環境が充実しているという点も魅力を感じました。3年間の生命科学実習の中で特に印象に残っているのは、タンパク質の立体構造をコンピューター上で観察したことです。肉眼では見ることのできないタンパクの構造を画面に映し出したとき、その構造の美しさにとても惹かれました。それをきっかけに、私はコンピューターシミュレーションに興味を持ち、生命物理科学研究室に所属することになりました。4年生では自分の興味のあるテーマに絞って研究することができるため、とても濃い学習ができました。また、4年生で研究室旅行を企画し、バーベキューをしたり花火をしたりと、研究以外の部分でも充実した1年を過ごすことが出来ました。
 私は現在、水晶体に存在するタンパクの1つであるγS-crystallinの研究を行い、計算科学に関する国際会議や分子シミュレーション討論会においてポスター発表を行いました。私がこのタンパクを研究のテーマに選んだ理由は2つあります。まず1つめ目は、水晶体が人体において数少ない透明の組織であるという点に生物の神秘を感じたことです。2つ目は、幼少からの趣味であるイラストやハンドメイドを通して色に触れて来たことです。画家であるクロード・モネは白内障を患っており、白内障発症前と後で色使いやタッチに大きな変化があることが知られています。鮮やかな色彩を見るために健康な目は不可欠です。このことから、視力の低下に影響を与える白内障に関連したテーマを選び、一生を通して鮮やかな景色を見るためのカギを探りたいと思いました。
 今後、より深く踏み込んだ内容のシミュレーションを行いながら、タンパクの凝集のメカニズムや、白内障発症のメカニズムについてより理解を深めたいと思います。 また私は、研究を行う傍らプライベートではイラストやハンドメイドの活動も行いました。本学では研究室のホームページ作成や東薬祭のパンフレットの表紙イラスト、英語の教科書のイラストなどを担当させていただきました。就職活動ではこの経験を活かし、デザイナー職で2社の内々定をいただくことができました。特に私が入社を決めた会社では、これまで理系出身のデザイナーがいなかったということから、”技術とデザインの両方をこなせる人材”として評価していただきました。
 研究で学んできたこととは異なった分野になりますが、来年の4月からは技術も理解できる理系のデザイナーとして、多くの方々の心に残るようなデザインを手がけ、色彩の美しさやデザインの面白さを伝えていきたいです。

(全1229文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
多ヶ谷 翔吾 (私立八王子高等学校出身)

 私は小学生の時、宇宙が好きで、宇宙少年団という団体でJAXA(宇宙航空研究開発機構)への見学などを通して宇宙に関して学ぶ機会がありました。 中学時代は水泳部に所属し、練習に精一杯取り組んでいました。その甲斐あってか関東大会の予選会まで進むことができました。当時の厳しい練習で培った精神は今に至るまで様々なところで為になっています。その後の高校受験や大学受験の際に、自分は数学と理科が好きで、論理的に考えることが向いているなと思い、理系に進みました。そして、東京薬科大学は化学・生物などを幅広く学べるだけでなく、医療に関する知識も得ることができると感じたので、進学を決意しました。
 本学入学後は理系の様々な分野を学びました。私は酵素学などの科目を受講しました。酵素学では、生命現象において重要なタンパク質の構造や機能、酵素の性質や触媒機構を学ぶことができます。その中で、ヘモグロビンと酸素の結合について学んだ際の例のスキンダイバーのハイパーベンチレーション(数分間速い呼吸を繰り返し行うこと)が興味深く面白かったです。理由として、スキンダイバーの多くが信じている潜水直前のハイパーベンチレーションで血中酸素濃度が上昇するというのが、生化学的な理論に基づくと、動脈血にあるヘモグロビンはすでに酸素で飽和されているため酸素濃度に大して変化はないということが分かるためです。また、実習では酵素反応速度論の実験などを行いました。この実験では、酵素学の授業で学んだ酵素反応速度論を、実際に酵素を加えることで測定し、Michaelis―Menten plotやLineweaver-Burk plotから、酵素活性や活性阻害を見ることができたことが面白かったです。さらに、色々受講してきた中で、情報科学Ⅱとバイオ情報科学という科目で、プログラミングに出会いました。これら2つの科目で、自分で考えたプログラムがちゃんと動き、欲しい結果が出る楽しさに興味を持ち、プログラミングを使って研究できる生命物理科学研究室を配属先に選びました。
 現在はソフトマターのシミュレーションを行うべく、先生や先輩方からご導して頂いて簡単なプログラムを書く練習を行っています。また、小学生時代の経験から「宇宙とソフトマター」という観点で研究したいと思っています。今後は卒業研究や修士課程への進学に向けて、必要な知識を得ながら研究に一生懸命取り組みたいと思います。

(全1010文字)

生命物理科学研究室 : 修士2年
三井 淳也 (桐蔭学園高等学校出身)

 私は高校生の頃は理数系が得意だったことから、なんとなく理系だろうな、と考えていました。しかし、ちょうどその頃に、現在ではノーベル賞を受賞する要因となったiPS細胞についての論文が発表され、ニュースでよく見るようになり、そこから生命科学という分野を強く意識するようになりました。その後、生命科学という分野を調べていくうちに、科学を使って生命を解き明かしていく、という生命科学の魅力に惹かれ、生命科学部をいち早く設立し、薬学部の歴史もある東京薬科大学に進学を決めました。
 両親が教員をしていたということもあり、大学では教職のカリキュラムを受講しました。教職の授業では、実際に教育の現場で起こった事案をもとにケーススタディを行うなど、教師になる際には非常に有用な勉強をしました。また、自分の考えを素早くまとめ、短時間で小論文を書き上げるという、教師になる以外の道でもとても有用なスキルを身につけることができました。通常の授業では、生物や化学の中心に生命科学の知識を学びました。天然物から特定の物質を行うことや、がんの治療に関する研究をはじめとし、様々な興味深い研究について学ぶことができました。その中で私は、大学の中では少し毛色の違う分野である、生命物理科学に興味を持ちました。生命物理科学は生命現象を物理の式を用いて表し、主にコンピュータシミュレーションを用いて研究を行うものです。コンピュータシミュレーションというと、なんとなく大仰でものすごく難しいものだという認識がありました。しかし、実際に触れてみると中学、高校で学んだ物理、数学の知識、知恵を積み重ねて式を構築するものでした。コンピュータはあくまでその式を解き、答えを出している、ということを体感することができました。そのような体験から、生命物科学がとても興味深く感じられ、4年時に所属する研究室に生命物理科学研究室を選び、その研究を続けたいと思い、大学院に進学しました。
 大学院では、流体力学を用いたバクテリアの運動の研究を行っています。格子ボルツマン法を用いて流体力学シミュレーションプログラムを作成し、その結果からバクテリアの流体的、相同的特性を研究しています。また、研究室生活を通じて、プレゼンのスキル、論理的思考力を培い、希望していたIT系企業に内定が決まりました。これからは研究を進めて、物理、生物の知識を深めるとともにプログラミングの能力を高め、仕事に活かせるようにしていきたいと考えています。

(全1029文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
坂本 彩香 (私立神戸海星女子学院高等学校出身)

 私は高校時代コーラス部と委員会に所属していて、理系科目選択では化学と生物を取っていました。生物系の大学に進学しようと決めた際、生物だけでなく環境分野や薬学・遺伝子工学など幅広く生命について学ぶことが出来、また高校では履修していなかった物理も学ぶことが出来る大学が良いと考え、本大学へ進学しました。
 元々パソコンが好きで、1年次で配属されるゼミは情報科学の担当である森河良太先生の下について物理に関する本を他のゼミ生と共に読んでレジュメを作成し発表していました。4年次もそのまま生命物理科学研究室に進み、プログラミングや細胞・タンパク質について学びながら研究活動を行っています。
 3年間で一番楽しかった授業は情報科学Ⅱです。この授業では、基本的なパソコンの扱いの他に、少し踏み込んだプログラミングやグラフへの出力などを講義として聞くだけでなく実践して行うことが出来、生命科学への情報科学からのアプローチに役立つ技術や考え方を養うことが出来ました。
 実習ではPCR法という、遺伝子の複製や電気泳動、ゲルによる検出を行う実験がとても面白かったです。授業で習う実験手法を実際に自分達の手で行うことによって、その方法や操作の意味を深く理解し、生命科学を研究する者としての礎を築くことが出来たと思います。
 現在は就職活動を行っており、CRO企業から内定を頂きました。来年からは統計解析職として治験データの解析を行い、医療の発展や安全性を担保する仕事の一端を担っていきます。

(全626文字)

生命物理科学研究室 : 学部4年
小澤 拓将 (兵庫県立東播磨高等学校出身)

高校時代はハンドボール部に所属していたので、日々練習に励んでいました。理科の科目のなかで、生物を選択し、学んでいくなかで、徐々に生物学の魅力に取り憑かれていきました。大学では生物学を専攻したいと考えていた時に、この東京薬科大学の生命科学部を発見しました。
東薬の生命科学部では、生物だけではなく、幅広く学ぶ事ができ、特に医療の方面から学ぶことができるので、進学を決めました。大学入学後、薬理学や遺伝子工学などを履修し、期待通り生物学を様々な方面から学ぶことができました。また、元々、パソコン関係は興味があったのですが、情報科学Ⅱという授業でプログラミングに触れてさらに興味が湧きました。そこで、プログラミングを用いてシミュレーションを行い、生物学にアプローチする研究を行っている生命物理科学研究室で研究したいと考え、3年次から通わせて頂き、4年次には配属となりました。
大学の授業の中で医薬品の成り立ちについて学んだ際に、臨床試験における治験に興味を持ち、その中でも被験者に寄り添う形で治験を支えているCRC(治験コーディネーター)という職業を志望しました。就職活動は早めに取り組んだほうがいいと思い、3年次の夏から準備しました。その結果、早々から備えていたことが功を奏し、4年次の4月初めには第一志望であるSMO※企業にCRC職として内定を頂きました。
今後はシミュレーションの勉強、卒業論文に専念したいと思います。また、卒業後は治験コーディネーターとして、少しでも多くの医薬品を世に送り出すお手伝いをし、社会に貢献していきたいです。
※ 治験実施施設管理機関

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生命物理科学研究室 : 博士2年
野口 瑶 (玉川学園高等学校出身)

高校時代は、演劇部に所属していたため演者として舞台に出たり、玉川特有の自由研究という特別授業でカビ毒について調べたり、野村証券のインターンシップで「株式を魅力的に伝えるテーマパーク」という課題に取り組んだりしました。また、体育祭や学園祭、音楽祭などのイベントを広報する委員会にも所属し、私は主に写真撮影を行っていました。毎日忙しかったですが、とても楽しかったです。
東薬の生命は塾の先生に勧められて受験しました。入試で始めて大学に来た際には、自然が多く静かで良い大学だという印象でした。他の進学候補と比較すると研究室の数が多いことが魅力的に思い、東薬に進学を決めました。
生命科学部は1年生の時に各教授のゼミに入ります。私は当時いらっしゃった貝瀬利一教授のゼミに入りました。カビ毒の話で懇談会に盛り上がったことが、きっかけだったように思います。科捜研に違法薬物の話を伺いに行くなど、面白い経験が色々とできました。学部1年間と修士2年間は基礎生命科学研究室(現・分子生物化学研究室)においてC.elegans を用いた抗酸化物質の評価を行っていました。修士の時に、外部研究先でコンピューターシミュレーションを用いた化合物の評価についてのセミナーを聴く機会がありました。その研究に興味がそそられ、計算科学を用いた研究をしたく、博士後期課程から生命物理科学研究室に進学しました。
現在は抗腫瘍活性を有するペプチドを計算科学の観点から解析しています。

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生命物理科学研究室 : 修士2年
糸賀 響 (東洋大学附属牛久高等学校出身)

 私は高校生のころ、科学同好会を立ち上げて、実験を楽しんでいました。地元の茨城県はメロンの出荷量が1位(当時)ということで廃棄メロンからバイオエタノールを効率的につくる企画を考えました。酵母でバイオリアクターを作成し、発酵に最適なメロンの糖度の条件検討を行いました。全国で廃棄されるメロンから年間約150tのエタノールを生産することが出来ると概算できました。その研究で毎日農業記録賞の地区優良賞をいただきました。あるとき高校の生物の先生から面白い実験が出来そうだと本校の夏休み実習を教えていただき高校3年の夏に参加しました。見学した他の大学と比較して、東京薬科大学生命科学部の機器がとても充実していたので面白いことが出来そうだと入学を志望しました。
 生命科学分野の中でも特にタンパク質の持つ機能美に興味がありました。多機能さと美しさがタンパク質の魅力だと思います。以前、研究室配属される前から実験系の研究室で実験を行っていました。ひとつのタンパク質の詳細を手に入れるには長い年月がかかるのに、興味のある現象全体を理解するのは難しいということを知りました。そんなとき、ひとつの数理シミュレーションの結果を見ました。細菌がつくるコロニーの輪郭を数理モデルで再現した結果は顕微鏡観察でみられる複雑さを再現できていることに衝撃を受けました。
 現在、シンプルな何かに支配された形などに強く引かれることもあり、高分子を内封したリポソームの形状変化がどのようにして生じるのかを解明する研究を行っています。これをいくつかの式の組み合わせで再現できればと思います。

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生命物理科学研究室 : 修士2年
小川 静佳 (富山県立富山高等学校出身)

 私は以前から医療や生命のことについて興味があり、生命科学部を進路として考えるようになりました。その中でも東京薬科大学を選んだ理由は、歴史のある薬学部も隣接しているため、生命と薬学について同時に学ぶことができると考えた為です。
 数学などの基礎的な授業から発生医科学などの専門的な授業、実習と様々な授業がありました。そのなかでも私が一番印象に残っているのは分子細胞生物学の授業です。生体内で起こっている反応や生体内に存在している蛋白質の構造や機能について詳しく知ることができました。また、生化学研究部の実習ではラットを使った実験を行いました。授業での実習とは違い自分たちで計画などの準備から全て行うため大変でしたが、研究の面白さを実感することができました。大学生活では勉強だけではなく、多くの仲間をつくることができ、一生の友が出来たと思っています。情報科学Ⅱの授業で行ったプログラミングが面白いと思い、生命物理科学研究室に4年生で入ることにしました。
 進路について考える際、就職活動もしてみようと思い合同説明会などにも参加してみました。しかし、これを一生の仕事にしていきたいと思えるようなものを見つけることができず、無理に就職するのではなく、今は学びたいと思っている自分の気持ちを優先しようと思い大学院に進学することにしました。研究を始めた頃は簡単なプログラムを書く事も出来ない状態でしたが、今ではある程度思った通りにプログラムの作成ができるようになりました。研究でプログラミングを行っているうちに、それを一生の仕事にしたいと思い、SE(システムエンジニア)に絞って就職活動をしました。やりたい事が明確になっていたので面接でも自信を持って考えを言う事ができ1月と3月に2社から内々定をいただくことができました。
 来年の4月からは大手メーカー系SIer(システムインテグレーター)でSEとして社会人の一歩を踏み出す予定です。
 私はゲルのシミュレーションを行っています。その研究成果について、学会で3度ポスター発表を行いました。ポスター発表では自分よりゲルや、シミュレーションについて詳しい方からアドバイスをいただくことができ、研究にも活かしています。また、ポスター発表の内1回は国内で行われた国際学会でした。英語で質問されたため自分が思っていることを全て相手に伝えることが出来ず、悔しい思いをしました。英語の勉強はとても大切だと実感することができました。
 研究の合間に、基本情報技術者試験の勉強も行い無事合格することが出来ました。午前のテストは情報科学の授業の内容と同じところもあったので、学部時代の情報科学の授業がとても役に立ちました。また、午後のテストではアルゴリズムなどプログラムの作り方が出題され、普段の研究で培った考える力が役に立ちました。これからは、応用情報技術者試験の勉強をしていきたいと考えています。残りの学生生活では、研究に悔いの残らないようなに努力していきたいと考えています。

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生命物理科学研究室 : 修士2年
平田 庸祐 (埼玉県立伊奈学園総合高等学校出身)

 私は高校生の頃、私は陸上部と科学部に所属していました。陸上部で忍耐力、科学部で知識・実験スキルなど、今でも役に立つ力の基礎を身につけました。受験生のときには生物が最も得意な科目ということもあり「生命科学」という学問が面白そうだと思いました。生命科学について調べてみると、医・薬・農・工学など、幅広い分野で世の中に必要とされている学問だということを知りました。本学の特色である「豊富な資格取得の実績」や「情報社会に強くなる」などから、本学生命科学部への入学を決意しました。
 私の大学4年生の卒業研究のテーマは「コンピュータシミュレーションによるアミロイド線維の解析」でした。異常型タンパク質であるアミロイドタンパク質をモデルに選び、「タンパク質鎖の量」や「平穏な状態と高塩濃度や高圧など様々な極限状態」など、解析結果にどのような差が出るかを見ました。現在は「α-ヘリックスを結合面としたタンパク質分子間相互作用の粗視化シミュレーション」というテーマを研究しています。先輩の研究で線維化に適した正常なタンパク質の候補が決定しました。私はそのタンパク質の線維化に適した条件を探索しています。
 また本学では、学生実習で、実際に研究室で行われているような実践的な実験を体験できます。実習は研究室の先生と大学院生(TA:teaching assistant)による指導で進めていきます。私はTAとして指導しているときに、確かな成長を感じることができました。また、学部生の時に8時間で終わるかどうかだったコンピュータシミュレーションが、今では90分足らずでできるようになっていました。速さ、正確性、考察力が身に付いたと思います。この成長は先生や先輩や同輩からのサポートと、情報センターや整ったネットワーク環境のおかげだと思います。私は2013年4月から食品系企業の品質管理職として働きます。職種柄、安心・安全の食品を世界に提供していくのはもちろんのこと、企業のHACCP(危害分析重点管理制度)の導入やISO(食品安全マネジメントシステム)の取得に貢献していきたいです。残り少ない学生生活は、研究の成果を立派な修士論文として仕上げることに尽力します。

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生命物理科学研究室 : 修士1年
森 咲季子 (金城学院高等学校出身)

 私は研究者の謎を追求する姿に憧れ、一大学内で多岐に渡る分野の研究が行われている環境に魅力を感じたため本学生命科学部に入学しました。学部時代は授業と実習によって、生命科学に関する知識と技術を養うことができました。特に印象的だったのはCOD(化学的酸素要求量)の測定実習です。水質の汚染度を調べる実験なのですが、実際に池まで行って水を取ってきたり、溶液の色が消えなくなるまで滴定したりと、自分で調査しているという感覚が強くとても楽しかったことを覚えています。
 勉強の合間には新聞会に所属して学校行事や新任教授のインタビュー記事等を載せた学生新聞を発行していました。入った当初はどのように書いたら良いのか分かりませんでしたが、先輩方に校正やアドバイスをいただくことで、読み手の視点を考えられるようになり、授業等のレポートにも役立てることができて、非常に勉強になりました。また、餅米を作って餅つきをしたり、いろいろな野菜を育てたりと自然の営みに触れられるASIATO(里山サークル)の活動にも参加し、充実した日々を送りました。
 この春から私は生命物理科学研究室にて、糖尿病治療関連ペプチドについて分子動力学(MD)シミュレーションを用いて立体構造の安定性解析を行っています。このタンパク質の実験的手法を用いた研究は数多く行われているものの、タンパク質は非常に複雑なシステムのため、構造変化等の動的な情報は実験ではなかなか得られません。しかしMDシミュレーションを用いれば細かな構造の動きを予測することができます。そうした実験だけでは分からないタンパク質の特徴を明らかにすることができる点が、他の実験系研究室との違いです。また、コンピュータ上でシミュレーション、解析等を行うため、コンピュータを用いた能力を身に付けられるのもこの研究室の特徴だと思います。初めは慣れない作業のため難しく感じてしまいますが、先生や先輩方の教えにより現在はシミュレーションや解析ソフトの操作も行えるようになりました。私はこの研究によって有意義な情報を得るべく、実験条件を変えて模索する毎日です。

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生命物理科学研究室 : 学部4年
井上 貴央 (駿台甲府高等学校出身)

 私は薬学や医学、理学など様々な分野に関わる生命科学に魅力を感じ、また、薬学に関する知識も得たいと思い、東京薬科大学生命科学部に入学しました。
 生命科学部では、分子細胞生物学や有機化学など生命に関わる様々な分野の講義を受けることができ、実習では生命科学に関する専門的な技術を学ぶことができました。私は現在、生命物理科学研究室に所属し、コンピュータを用いてゲルのシミュレーションの研究をしています。この研究室を選んだのは、物理学を用いて生命現象にアプローチするという点に非常に興味を持ち、コンピュータに関する知識も深められると思ったためです。
 研究室では、ゼミなどを通して新しい知識や、論理的思考力、プレゼンテーション能力を身につけることができ、日々成長を感じています。また、製薬業務に関わる情報系の企業から5月に内定を頂き、現在は卒業研究に取り組み、充実した時間を過ごしています。私は、今後研究を通してコンピュータに関する知識を深め、残りの学生生活を充実したものにしていきたいと思います。
 大学院では、流体力学を用いたバクテリアの運動の研究を行っています。格子ボルツマン法を用いて流体力学シミュレーションプログラムを作成し、その結果からバクテリアの流体的、相同的特性を研究しています。

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