生物の進化の歴史を調べる方法はいくつかある。例えば、化石を調べることから進化の歴史が推定されている。また、異なった生物の発生分化の過程を比較することから、それらの生物の進化の歴史が推定されている。こうした方法に対して、現在生きている生物種の遺伝子を比較して進化の歴史を調べる方法が分子進化学と呼ばれている。遺伝子にはDNAの文字でアミノ酸の並び順(配列)が記録されている。異なった生物の同じ遺伝子の配列を比較することから系統樹を作成して生物の進化を推定するのが分子進化学である。こうして推定した系統樹は分子系統樹と呼ばれている。
さらに詳しい内容を知りたい方は以下の日本語の総説、本を参考にしてください: 全生物の共通の祖先の実験的検証 ー過去のタンパク質を再現するー、 遺伝子分析による脂質合成系の進化の解析、 シリーズ進化学 第3巻 化学進化・細胞進化、 分子の進化:遺伝子レベルでみる生物の進化