細胞膜や細胞内の膜は脂質分子からできている。真核生物や真正細菌の膜脂質はエステル脂質とよばれる脂質であるのに対し、古細菌の膜脂質はエーテル脂質とよばれる脂質である。エステル脂質が疎水鎖として脂肪酸を持っているのに対して、エーテル脂質では枝分れのあるアルコールであるイソプレニルアルコールを持っている。グリセロールに疎水鎖が結合している点は同じであるが、その結合がエステル脂質ではエステル結合、エーテル脂質ではエーテル結合である。また、グリセロールに対する結合がエーテル脂質とエーテル脂質では鏡像異性の関係になっている。
さらに詳しい内容を知りたい方は以下の日本語の総説、本を参考にしてください: 細胞の起源、 古細菌の生物学、 遺伝子分析による脂質合成系の進化の解析