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このページでは環境応答植物学研究室で行われている実験テーマや
実験材料として使われている藻類について説明します。

                      

環境応答植物学研究室で行われている
実験について


ハプト藻の円石形成(石灰化)機構
ハプト藻の1種プレウロクリシスは単細胞の光合成生物ですが、細胞のまわりに炭酸カルシウムの殼を持っています。その殼の形成機構を明かにするために、さまざまな角度から解析しています。



チラコイド膜酸性脂質の生理的機能
光合成電子伝達の場となっているチラコイド膜には、スルフォキノボシルジアシルグリセロールとホスファチジルグリセ ロールの二つの酸性脂質が存在します。その酸性脂質が光化学系IIの機能に重要な働きがあることが最近明かになってきました。



シアノバクテリアにおける
光合成と呼吸のシグナル機構
Synechocystis sp. PCC6803はシアノバクテリアとしては珍しく、グルコースを利用して生育することが可能です。しかし、 完全な暗条件ではしばらくして生育が停止します。わずかの光を時々当てると生育が維持されるのですが、そのメカニズムを調べています。



微細藻類におけるデンプン合成機構
デンプンの性質とその合成関連遺伝子の解析を行っています。シアノバクテリアのデンプンはラン藻デンプンとよばれ、分子構造が動物のグリコーゲンと似ています。



微細藻類の環境問題解決への応用
微細藻類に二酸化炭素を固定させ環境問題の解決に役立てる研究を行っています



微細藻類に及ぼす環境要因の影響
培養中の二酸化炭素濃度や温度、光、乾燥さらにヒ素が微細藻類にどのような影響を及ぼすのかについて
解析しています。 




実験材料



円石藻
Pleurochrysis haptonemofera)

海洋性単細胞藻類であるハプト藻の一種で、光合成色素としてクロロフィルa,cを持っていますので褐色をしています。円石藻は、炭酸カルシウムを主成分とする円石を形成し、細胞周囲に多数付着させています。円石形成に関与する要因を分子レベルで解明することが今後の課題です。



クラミドモナス
(Chlamydomonas reinhardtii)

クラミドモナスは淡水域に生息する真核単細胞の藻類です。2本の鞭毛、眼点、主にピレノイド、1つの葉緑体などを持っているのが特徴です。光合成色素としてクロロフィルa,bを持ちます。当研究室で盛んに使われている Chlamydomonas reinhardtii という種は、交け合わせや形質転換が比較的容易であるため、分子レベル・細胞レベルでの植物生理生化学の研究材料として適しています。




シアノバクテリア
(Cyanobacteria)

ラン藻はグラム陰性バクテリアの一種で、真核植物の葉緑体によく似た酸素発生型光合成を行い、光合成色素としてクロロフィルa、フィコビリンを持ち一般に藍色をしています。ラン藻は形態的に単細胞型と糸状型の二つのグループに分けられます。単細胞型の Synechocystis sp.PCC6803や Synechococcus sp. PCC7942といった株は形質転換が非常に容易であるため、分子レベルでの光合成の研究材料として盛んに利用されています。



クロレラ
(Chlorella kessleri)
         

クロレラは鞭毛を持たない不動性の単細胞真核緑藻で、光合成色素としてクロロフィルa,bを持っています。主に淡水域に生息しています。増殖力が強く、一回の分裂で2~8個の細胞に分かれます。直径約10ミクロン程度の細胞中に、核、ミトコンドリア、葉緑体が一つずつという単純な構造をしており、形態学から分子生物学までの多角的視点で研究を進めることができる材料です。