日本物理学会誌98年5月号 by 高須 [ホームページに戻る]
J. M. Haile, Molecular Dynamics Simulation -- Elementary Methods -- John Wiley & Sons, 1992, 1997(Paperback Edition). [学部向教科書] 高須昌子(金沢大理) 本書は、分子動力学に関する入門書で ある。章構成は次のようになっている。 1。序 2。基礎 3。剛体球系 4。分子動力学 5。ソフトコア系 6。平衡状態の性質 7。動的性質 本書では、分子動力学を力学系の1つ として考えている。例えば2章では、 可積分系と非可積分系の説明や、軌道 安定性と衝突の記述もある。3章〜7 章では、実際の FORTRANプログラムを 使って、解析方法も説明している。付 属プログラムはリストのみで、CD-ROM やフロッピーは付いていない。 この本では、例えば、能勢の温度一定 の方法やギブス・アンサンブルの方法 には触れていない。物性関係のシミュ レーションをする人は、Allen, Tildersleyの本[1]などを読んだ方が いいだろう。 この本は、説明がわかりやすく、各章 に練習問題もついており、入門書とし て、学部の授業などで使うのに適して いる。 [1]M. P. Allen, D. J. Tildesley, Computer Simulation of Liquids, Oxford University Press, 1987.