List of class taught by takasu thermodynamics Essay

物性とコンピュータ

  1998.7.25  by 高須

                 [ホームページに戻る]

金沢に来てから早10年たちました。途中2年間のアメリカ滞在を含み、物性理
論の分野でシミュレーションの手法を用いた研究を行なってきました。

アメリカから帰国した92年9月に、ちょうど理学部にもLANが引かれ、「便利にな
ったものだ」と感動したのを覚えてます。

今では、自分の所のワークステーションでの計算、ホームページからの検索、
学科や専門分野のメーリングリスト、など、コンピュータとインターネットは、
日々の研究と仕事に欠かせないものとなっています。

私の研究室では、物理的におもしろい系に対して、コンピュータを使って、シミ
ュレーションの手法でアプローチしてます。

大きく分けて2系統の研究を行なってます。1つめは、量子系物性です。私は
大学院の時に、量子スピン系のシミュレーションによる研究をしていました。そ
の時に、量子系の確率計算で起こる「符号問題」に悩まされました。量子系はわ
からないことも多く、計算手法も複雑です。最近は、ヘリウムの物性にも興味を
持っています。

もう1つは、ポリマー物性です。ポリマーは日常のいろいろな場所に使われてい
る素材です。1本のポリマー、多数本のメルト、結晶化、架橋剤を使ってゲルに
したりと、奥の深い分野です。

その他、物理的に興味のある現象があった時に、「シミュレーションで研究する
ことが可能か?シミュレーションは役に立つか?」という観点で見ております。

数年前の地震の後、「地盤の液状化はシミュレーションできないか?」と考え
ました。液状化そのものは複雑で、直接にはシミュレーションできてませんが、
大学院生が対流現象のシミュレーションを実行しました。

このように、物性のいろいろな側面を、コンピュータで探求しようという研究室
です。意欲のある学生の応募を期待しております。