東京薬科大学 極限環境生物学(旧細胞機能学)研究室 Tel: 042-676-7141 Fax: 042-676-7145
深海底から宇宙へ、37億年前から未来へ
お知らせ
本研究室では大きく分けて、進化の研究とタンパク質工学の研究の二つの分野の研究を行っている。
海底熱水地帯の微生物の研究
進化の研究では特に生命進化初期に焦点を当てて研究している。地球は今から45.5億年前に誕生し、その数億年後には生命は誕生したと推定されている。誕生した生命は海底の熱水地帯に生息していた可能性が高い。そこで、海底熱水地帯の好熱菌、
超好熱菌
の遺伝子解析、培養を行っている。地球最古の生き物が実験室で培養できれば素晴らしい。

マリアナトラフ海底熱水噴出孔の写真
無脊椎動物の進化の研究
微生物や無脊椎動物の
分子進化を調べている。化石の残らない生物の進化は未知の部分が多い。ミトコンドリアゲノムの解析から無脊椎動物進化を解明する。
現存する生物の遺伝子を元に、いまから40億年前の祖先生物の遺伝子を推定することができる。祖先生物の遺伝子を作ることから、地球最古の生物の姿を明らかにしようとしている。40億年前の生命はどんな生物だったのだろうか。
真核生物誕生過程の研究
生命誕生から20億年ほどして、その元となった生物にミトコンドリアが共生して真核生物が誕生した。しかし、共生の宿主となった生物や、細胞骨格、ステロイドなど多くの真核生物特有成分の起源は不明である。我々は、その謎を解く鍵が
古細菌サーモプラズマにあると考えている。
古細菌サーモプラズマの細胞骨格や
エーテル脂質合成系を研究することから、真核生物細胞の祖先を明らかにしようとしている。
大気圏微生物の研究
大気球を使って、成層圏の微生物を探索したり、宇宙生物学に取り組んでいる。生物は、地球から他の惑星へ移動したかもしれない。

大気球を使ってのサンプリング
現在の
タンパク質工学は「工学」ではない。工学と言うからには目的の性質をもつものを「設計」できなければならないが現在これは不可能である。本研究室の究極的目標は目的のタンパク質を自由にデザインできるようになることである。そのために以下の研究に取り組んでいる。
タンパク質構造形成原理の研究
タンパク質の構造形成原理を解明しようとしている。そのために、好熱菌を宿主とした
進化工学系を駆使して、タンパク質の耐熱性や折り畳み機構の解明をおこなっている。
好熱菌超分子構造の研究
好熱菌線毛やファージを調べることから、超分子複合体構造解明をめざしている。

超分子複合体である好熱菌線毛の重合モデル
酵素は鏡像異性体を認識可能なタンパク質触媒と考えることができる。その工業利用をめざして、
低温適応機構の解明や基質特異性変換など、好熱菌を利用した進化分子工学にとりくんでいる。耐熱性を保持したまま活性を上昇させることに成功している。
バイオナノテクノロジー
政府は21世紀の4つの科学研究課題を選定した。その一つがライフサイエンスであり、もうひとつがナノテクノロジーである。好熱菌のタンパク質は大変強いので、これをナノテクノロジーに使わない手はない。好熱菌のタンパク質を利用してタンパク質ナノブロックを作っている。究極的にナノマシン、ナノエレクトロニクスをめざす。

バイオナノテクノロジーの材料としている好熱菌タンパク質と人工耐熱性タンパク質
参考文献
最近の論文等はホームページ参照 http://www.ls.toyaku.ac.jp/~lcb-7/publications.html
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