●卒業生の声
前田泰明 さん
清真学園高等学校卒
2010年3月 生命科学部 分子生命科学科卒業(生命物理科学研究室)
駿台甲府高等学校 教員
私は現在、山梨県の駿台甲府高等学校で教員をやっております。教員の仕事でまず思い浮かぶのは「授業」ですが、生徒と会話をする時間も大切です。それに加え、担任事務の処理、PTA活動、部活動、学会研修、入試研究など、やることは多岐にわたります。1日の労働時間が12時間を越え、土日の休みも余りないのが普通な世界です。肉体的にも精神的にもつらくなることは多いですが、すべての勉強、すべての仕事は生徒とつながっていて、『今やっていることは生徒のためになっているのだ』、そう考えるだけで仕事はやりがいのあるものになっています。生徒がかわいくてしょうがないのです。
東薬の生命では、理科教員になるための、とてもいい環境があると思います。東薬の生命では、生物、化学、物理、3科目すべてを学ぶことができます。それぞれの科目のつながり、いまの開発されている技術との関連など、ただ1分野で専門の勉強をするだけでは見えてこないことが学べ、それを生徒に話せることは、理科の教育で大きなアドバンテージになっています。生命物理科学研究室も、工学系の物理とは一味違う、化学の知識とつながる物理を知ることができる場所です。
また、論理的な話の仕方も東薬で学ぶことができたと思います。「○○だから□□となる」「○○は□だからよくないので、△△してそれを防ぐ」など『原因と結果』『理由と対策』などをしっかりと組み立て説得力のある話をする癖が、日々のレポートや実験の考察から身につきました。授業の展開はもちろん、生徒指導でも『説得力』は重要なキーワードの1つです。これができない人は意外に多いです。
今文章を読んでくれている人の中に、もしかしたら教員という道を考えている人がいるかもしれません。東薬の生命は、理科教員になるための環境としてとても魅力のあるところですが、生徒が好きで好きでしょうがない、という人しか続かない仕事です。勉強が好きだから、理科が好きだから、教えるのが好きだから、だけでは教員にはなれないのかなと思います。しかし、そんなことは、なってみないとわからないことです。進路選択は進んでみないとわからない、という面が多分にあると思います。迷いながらもじっくり考え、それでも答が出なかったらあれこれ考えずに、思い切って飛び込んでみて下さい。「決定」までの道は、人それぞれになると思いますが、悔いのない選択をしてほしいと思います。
堀口めぐみ さん
駿台甲府高等学校卒
2010年3月 生命科学部 分子生命科学科卒業(生命物理科学研究室)
山梨県職員(行政職)合格
山梨県教育委員会わかば支援学校主事
私は2010年4月に山梨県職員(行政職)に採用され、本庁長寿社会課で高齢者の生きがい対策等の業務を2年間行いました。今年4月からは知的な障害者児童が通うわかば支援学校で、奨励費や給与事務などの業務をしています。県庁の仕事は多岐に渡っている分、多くの経験を積み、様々な人と出会うことが出来ます。どの部署の仕事も、様々な角度から県民の生活を支え、質の高い県民サービスを提供していく一助になることに非常にやりがいを感じ、自分自身も日々刺激を受けています。
私は高校時代、漠然とバイオテクノロジーに興味がありました。幅広い分野から生命現象のメカニズムについて学べる点や、「就職に強い大学」と先生からの助言もあり、東薬の生命科学部を選びました。東薬では1年次から実習があり研究設備が充実していて、親身になってサポートしてくれる先生方など有意義な大学生活を送るための環境が整っています。中でも私は1年の生命科学ゼミナールで学んだ、生物の一見ランダムに見える動きを物理学の視点から解析することに興味を持ち、4年の時は生命物理科学研究室に所属しました。研究室で学んだ、突き詰めて考える思考力や、何事にもねばり強く努力する姿勢は、今でも役立っています。
学生時代、制度の中枢である行政の仕事に憧れ、公務員の行政事務職を志望しました。ゼミの課題や卒業研究、公務員試験の勉強と、図書館に缶詰の毎日でしたが、目指すべき目標に向かって流した汗は無駄ではなかったと心から実感しています。東薬で学んだ事は、分野は違っても活きています! 進路に迷っている方や就職活動をされる方は視野を広げて何事にもチャレンジして欲しいと思います。