まめ知識

森林の林床に落ち葉がたくさん積もっているのはなぜでしょう?

 森林の林床には落ち葉が厚く積もり、歩くとふかふかして気持ちの良いものです。落葉広葉樹林の生産量を調べた結果を紹介しましょう。1年間に展葉し落葉してくる葉の量(乾燥重量、以下略)は1m2当たり300gです。この内の2%、6gが食葉性昆虫によって食べられます。食葉性昆虫の量(現存量)は、1m2当たり0.12gで、葉の量に比べるとわずかです。葉を食葉性昆虫に食べられないよう樹木が防御物質を葉に含ませて防衛している結果です。防御物質にはアルカロイドやタンニンなどが知られており、薬品としても利用されています。防御物質は落葉するときに樹木に回収され、落ち葉は分解されやすくなっています。落ち葉を食べて分解する土壌中の小動物、ミミズやトビムシ、ササラダニなどの現存量は1m2当たり1.9gと食葉性昆虫の10倍以上です。これらの土壌動物によって落ち葉は植物が利用できる栄養分に分解されます。これに対して、海藻の茂ったところでは落ち葉はほとんどありません。森林とは違って、海藻を食べる、ウニやアワビなどがたくさんいて直接食べられてしまい、落ち葉が海に積もることはありません。この点が、同じ植物の林でも、樹木の林と海藻の林との大きな違いです。