キーワード解説

全生物の進化系統樹

 

 この図はウーズらによって提案された全生物の進化系統樹である。この系統樹は16S rRNAと呼ばれる遺伝子の配列をもとに作製された。最後の共通の祖先(コモノート)の系統樹上の位置はゴガーテンら、岩部らによって推定された位置が採用されている。枝の端に書いてあるのは生物のグループ名あるいは生物の種名(学名)である。今から約35-40億年前、生物は最後の共通の祖先から二つのグループに分かれた。その一つは真正細菌で、グラム陽性菌(納豆菌の仲間)、グラム陰性菌(大腸菌の仲間)、シアノバクテリア(アオコの仲間)を含んでいる。もう一つの枝は古細菌と真核生物に分かれた。真核生物は動物、植物、カビや原生動物(ゾウリムシ、ミドリムシ等)を含む。古細菌は、メタン菌、硫黄依存好熱菌、高度好塩菌を含む。真核生物の細胞小器官であるミトコンドリアや葉緑体はそれ自身のDNAを持っているが、その遺伝子を解析すると、それぞれグラム陰性細菌、シアノバクテリアの仲間となることが分かった。種名やグループ名後の数字はそれぞれの生物群の中で最も高温で生育する生物の至適生育温度(最も良く生育する温度)を記入してある。全生物の共通の祖先の近くで分岐している種には超好熱菌が多い事から、全生物の共通の祖先が超好熱菌であると提案されている。我々はその仮説を実験的に検証している。

 さらに詳しい内容を知りたい方は以下の日本語の総説、本を参考にしてください:
第4章 地球上の生命の進化、山岸明彦、山岸明彦編集 「アストロバイオロジー」、化学同人、43-65 (2013)、
細胞の起源、 全生物の共通の祖先の実験的検証 ー過去のタンパク質を再現するー