応用生命科学概論

2014.04.01

「応用生命科学概論」に卒研生、大学院生、卒業生が登場、  研究紹介 & メッセージを1年生へ

 

 

「応用生命科学概論」は、応用生命科学科の1年生に、応用生命科学分野の最先端研究を、先生方から、バイオ産業で活躍している社会人の方から、そして、卒研生や院生から紹介する講義です。先生や先輩の方々が、どのような気持ちで研究に向かい合っているのか、その様子を聞いて、1年生の皆さんが、研究の面白さを知り、研究に夢を抱きながら、1年生から3年生の勉学に取り組んで、有意義な学生生活を過ごすヒントが得られることを願っています。
 

1年生の皆さんは、研究成果を出すには粘り強い取組みが必要で、失敗にくじけない強い気持ちも大切なことを気付いたようです。

2014.06.06

自由な雰囲気の中で「熱い」研究の日々

有賀 彩 さん
応用生命科学科4年(応用微生物学研究室)

 応用微生物学研究室はコアタイムがなく、のびのびと自由な雰囲気の研究室です。私は「Thermus thermophilus における酸化損傷防御機構に関わる遺伝子の解析」というテーマで日々実験を行っています。高度好熱菌である Thermus thermophilus の特徴として、1. 至適生育温度が約 75℃と高温、2. 形質転換が容易、3. 倍加時間が20分~30分と短いことなどが挙げられます。好熱菌やミジンコなどに興味がある人は、是非研究室へ見学にいらしてください。

 研究室配属前の3年間はあっという間です。気付いたら4年生になっていたということがないように、1~3年生の間に勉強と遊びやアルバイトなどを両立させて頑張ってください。

 

まず、学生習に力を入れよう

田辺 涼子 さん
修士課程2年(環境応用動物学研究室)

 私は、現在、Activating transcription factor 5 (ATF5) という遺伝子について研究を行っています。ATF5は、アミノ酸欠乏等の環境ストレスから生物を守っていると考えられています。
 ATF5を欠損したマウスは、自閉症のような行動を示します。このことから、私たちはATF5が自閉症に関連しているのではないかと考えました。また、自閉症患者の大脳皮質には、異常が生じていることが分かっています。そこで、私は、ATF5を欠損したマウスの大脳皮質にも異常が生じているかどうか調べました。
 実験の結果、ATF5を欠損したマウスの大脳皮質では層構造に乱れが生じていることが分かりました。このことから、ATF5は大脳皮質形成に関与していると考えられます。私は、こういった研究が、生物が環境ストレスから身を守るしくみや自閉症病態の解明に繋がることにやりがいを感じています。

 研究室では、研究以外にも、研究室旅行等のイベントが充実しています。研究室メンバーの仲も良く、和気あいあいとした雰囲気です。このように、私たちはON/OFFをつけて充実した毎日を送っています。
 最後に、1年生から3年生まで、特に頑張って欲しいことをまとめました。まず、学生実習に力を入れて下さい。学生実習では、基本的な実験手法が学べる絶好の機会です。是非、実習書の目的・原理を理解してから実習に臨んでください。また、勉強に遊びに全力で取り組み、充実した学生生活を送って下さい。

 

実習では「結果なんて二の次だ!!」

笹本 峻弘 さん
4年(現修士課程2年、極限環境生物学研究室)

 皆さんは「全ての生物は一つの生物から進化し生まれた」という考え方をご存知でしょうか? 私たちはその生物をコモノートと呼び、日々研究に取り組んでいます。これまでの結果でコモノートは75℃以上の環境に生きていたことがわかっています。(詳しくは極限環境生物学研究室のサイトにて!!)

 研究では自主性や忍耐力が求められるため、時に苦しいこともあります。私の経験を踏まえ、1〜3年時の生命科学実習に関するアドバイスを一言申し上げます。
「結果なんて二の次だ!!」*実習に限ります。
本当に大事なのは実験操作の「意味」を理解することです。全てを理解するのは大変難しいかもしれませんが、理解しようと言う姿勢で実習に臨むことで、自主性や忍耐力を鍛えることができます。それは研究に取り組む上で非常に大きな力となって自身を支えてくれるでしょう。

 最後に一言。
「大学生活は本当にあっという間です。しっかり楽しんで充実したものにしましょう!!」

 

昆虫のルーツ・多様性が生まれるしくみを調査中!
 〜実験や勉強に醍醐味を見つけよう〜

藤田 雄 さん
修士課程2年(生態学研究室)

 多くの植物を食害する害虫、マイマイガとその天敵であるブランコサムライコマユバチを色々な場所から採取しそのDNAの配列を調べ、それぞれの違いから昆虫のルーツ、つまりどう日本に入って来たのかを調べよう、と言うのが私の研究です。
 そのために北海道や沖縄等に行き、現地の山林に分け入って行く事もあります。またこれ以外の研究でもフィールドワークが多い研究室で、私にとってはそれが研究の一番楽しい部分であり、醍醐味だと思っています。
 こんな風に、皆さんも実験や勉強にそれぞれ、醍醐味と言うべき楽しい部分を見つけてみてはいかがでしょうか。

北海道のシラカンバ林で昆虫の調査(左)。北海道の海岸、北海道のマイマイガはこの海を渡ったと考えられます(右)。

 

企業と共同研究:高温固定床式メタン発酵槽の菌叢解析

堤 万穂 さん
修士課程1年(生命エネルギー工学研究室)

 メタン発酵は生ゴミや生活排水などのバイオマスから、都市ガスの主成分であるメタンを含むバイオガスを生成するシステムです。またメタン発酵は石油のような化石燃料を使わないため、代替エネルギーとして注目されています。
 鹿島建設 技術研究所では担体に高密度に微生物群衆を保持し、メタンガスを高速に生成できる高温固定床式メタン発酵を開発しました。しかしどんな微生物がメタン生成に関与しているのか全貌は明らかになっていません。
 そこでメタン発酵槽内の微生物群衆から抽出したゲノムDNAをメタゲノム解析という手法を用いることで、微生物の菌叢と微生物の機能解析を行っています。
(鹿島建設 技術研究所で働く先輩からのメッセージはこちらにもあります。)

2014.06.13

研究ってどんなイメージですか?

松本 寛子 さん
日本農薬株式会社  研究開発本部 安全性・医薬ユニット 毒性・薬理グループ 勤務
博士課程1年(環境応答植物学研究室)

 高校時代から環境保全に興味を持ち、東京薬科大学の環境生命科学科(現:応用生命科学科)に入学しました。入学後は部活とアルバイトに忙しい日を送っていましたが、微生物を用いた環境浄化作用(バイオレメディエーション)に興味を持ち、大学院では単細胞緑藻を用いたヒ素耐性機構について研究を行いました。ヒ素耐性機構の解明には植物生理学、生化学、酵素学、遺伝子学、分析学等、学部時代の講義や実習で得た知識を総動員しました。研究室はアットホームで楽しかったのですが、研究はなかなか思ったようにいかず毎日同じ作業を繰り返し、夜遅くまで検討を続けたりと大変だったなと記憶しています。
 今振り返ると、研究は新しいことを見つけ、それを自身で証明していかなければならないので、苦労して当然だったのかなと思っています。幸い、都筑教授、藤原祥子准教授のご指導のおかげでその苦労の結果を論文としてまとめていただくことができました。

 現在は農薬メーカーで安全性評価研究を行っています。主な仕事は生殖発生毒性評価を担当しており、大学で学んだ内容とは異なりますが、生理学、実験動物学や発生学等を学び、また新たな挑戦となっています。
 大学で自分の好きな研究テーマを見つけることができたこと、研究者としての礎を築けたことで今の私があると思います。みなさんにも、たくさん遊び、たくさん学び発想力を豊かにして充実した大学生活を送ってほしいなと思います。