卒業生メッセージ

本原 守利 さん

秒速8kmで飛ぶ日本の実験施設

平成11年 環境生命科学科(現応用生命科学科)3年終了時、大学院に飛び入学
平成13年 大学院修士課程修了(環境応答生物学、現環境応答植物学)
独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙環境利用センター 勤務

 高度約400kmの宇宙空間を周回している国際宇宙ステーションには、日本が開発した有人宇宙実験施設「きぼう」が取り付けられています。この「きぼう」では、生命科学や物質科学などの科学実験、創薬や新素材創製などの産業応用に結び付く実験、そしてちょっとかわったところでは芸術や文化的表現の試みなど、多様な実験を行っています。私は平成13年に入社して以来、これらの実験を推進する業務に従事してきました。

 入社してからはじめの5年間は、蛋白質の立体構造解析に宇宙実験が役立つことを実証するプロジェクトに所属。製薬企業や大学等の研究機関から集めた貴重な蛋白質試料を実験装置にセットし、ロケットで打上げ、国際宇宙ステーションで結晶生成実験を行い、宇宙船で再び地球に回収するという一連の業務を行っていました。重力がほとんどない宇宙では、溶液内の対流の発生が抑えられるため、非常に静かな環境で結晶が成長し、地上に比べて質の高い結晶が得られます。その結晶を地上に持ち帰り、X線構造解析によって立体構造を調べるわけです。きれいな結晶ほど構造がよく見え、より精度の高いドラッグデザインが行えます。実際に創薬フェーズに進んでいるものがいくつもあり、今後が楽しみです。

 現在は、同じ「きぼう」の利用部門ではありますが、企画推進・計画管理的な業務に従事しています。次年度予算の要求や現年度の実行予算の管理、「きぼう」利用計画に関する企画立案など「きぼう」利用の取りまとめ的立場として多岐にわたる業務を行い、マネージメント能力を磨いています。

 今後も東薬での経験を生かし、人類の宇宙開発を引っ張る技術者を目指して邁進していこうと思っています。