在学生の声

微生物たちを扱った研究生活

小池 榛菜 さん

修士課程1年(応用微生物学研究室)

 私は高校生の生物で微生物に興味を抱き、大学では微生物を利用したことを学びたいと思いはじめ、それならどの研究室であれば学べるのかと調べている中で挙がった研究室の1つが、今所属をしている研究室でした。

 今現在は、好気性高度好熱菌Thermus ThermophilusHB27という70℃の非常に高温な環境で生息をしている微生物を扱っています。Thermusの興味深い点は、高温環境に耐えられる耐熱性を持っているため、これを利用した様々な可能性を秘めているということです。この耐熱性と酸化ストレスというキーワードを基に、現在、抗酸化防御機構に関わるOxyRという転写因子がどの遺伝子をターゲットとしているのかをテーマに研究をしています。将来的には過酸化水素のバイオセンサーとして工業的利用へと繋げたいと考えています。

 研究を始めて非常に痛感した事は、結果がすぐに出ないということです。時には1ヶ月も結果が出ないという事が多々あります。3年生までの学生実習では答えが分かっていることを行うため、4年生に上がり研究を始めて間もない頃は、なぜ結果が出ないのか非常に苦痛で仕方がない時期がありました。その頃に偶然にも極限環境生物学会と分子生物学会で発表をする機会を得ましたが、失敗続きで自信を持てるようなものがない状態で発表なんかしても良いのかと思っていました。ところが、何かの発表を聞いていた際に「誰も分からないから研究をしている」という当たり前のことを質問に対して堂々と答えているのを聞き、未知の領域に踏み込んでいる自分自身の研究に対して自信を持つようになり、これを機に研究を楽しく思うようになりました。また、修士1年生に入りしばらくした頃に、国際学会で研究発表をする機会を突然いただき、再度不安に陥りましたが、英語圏ではない方も多く参加をしており、言葉の壁を持っている状態であっても意見交換では研究をしているという共通点で通じ合えることができたため、自分の研究が世界で通用していることを大いに実感しました。今思うと研究を始める前までは想像もしていなかった量の経験ができ、研究室の先生方には非常に感謝をしています。

 研究は答えが分からないことを調べるため、日々が手探り状態で気が遠くなるようなことも時にはありますが、何か1つでも手応えがあった時の喜びは実際に経験してみないと分からないものです。その喜びを求めて研究を続けています。

*写真の中央が私で、4年生に協力していただいて撮りました。