在学生の声

まだ見ぬ微生物を明らかにしたい

仁田原 翔太 さん

博士課程3年(極限環境生物学研究室)

 微生物は土壌や河川、海などの自然環境をはじめとして、いたるところにいます。私たちヒトの皮膚や腸の中にも微生物はたくさん存在し、私たちの健康と深く関わっていることがわかっています。微生物には膨大な種類が存在し、そのうち研究室で培養できるものは1%にも満たないと言われています。

 この大きな地球にはさまざまな環境があり、私たちが生活している20 ~30℃、1気圧の環境ばかりではありません。例えば深海熱水噴出孔では300℃以上にもなる熱水が噴き出しています。また温泉では高熱かつ酸性になる場所が存在します。高温の環境ばかりではなく、北極、南極や深海など0℃近くになる低温環境もあります。これらの環境でも微生物は存在し、生きていくことができます。それらは総称して「極限環境微生物」と呼ばれます。それは大腸菌などの「普通の微生物」では生きていくことができないために、そう呼ばれます。

 現在、私は極限環境生物学研究室でそのような極限環境に住む微生物を培養したり、それらの微生物が持つ遺伝子やタンパク質について研究しています。生物のタンパク質はその生物の生育環境に適応しているので、高温あるいは低温で働く有用なタンパク質が見つかることが期待されています。ときにはJAMSTECの船に乗り、ハイパードルフィンやしんかい6500といった潜水艇を使い、熱水噴出孔や深海からサンプルを採取しに行きます。船酔いは大変ですが非常に楽しい、貴重な経験です。

 今後は、さまざまな環境にすむ、まだ誰も知らない微生物を明らかにしていきたいと思います。